西寧の青海省博物館
西寧の青海省博物館@2011年
青海省の省都、西寧にある青海省博物館へ行った時の写真や動画、情報等を掲載しています。
西寧の青海省博物館
西寧は青海省の省都で比較的大きな都市です。その中心部にある青海省博物館では、青海省各地で発掘された化石や石器、土器、装飾品に至るまで多岐に渡る展示を行っています。
また、実は青海省には青海湖という中国で一番大きな湖があり、毎年世界各国の自転車好きな人達が参加する自転車レースが開催されているのですが、ちょうどこの時も自転車レースが開かれていて、その関係で自転車関連の展示会も同時開催されていました。
青海省博物館の正面。1986年に一般公開された比較的新しい博物館だそうです。
青海省史前文明展、青海民族文物、チベット仏教技術展などを中心に、9つのブースがある博物館です。
周りは広場になっていて家族連れで来てる人などもいました。
なんと青海省博物館は当面は無料で解放しているとの事で、タダで入れました。
入り口付近では、青海省のビッグイベントの一つである第十回環湖国際自転車レースの開催と絡めて自転車関連の展示も開かれていました。
レース用の自転車を体験出来るブースがあり乗ってみましたけど、かなり重たかったです。また、足を止めてもしばらくはペダルが動き続けていました。
正確な仕組みは分かりませんが、蒸気機関車の車軸の構造に近い物があるのかなと推測。
実は自転車旅行とか憧れてるので、じっくり見入ってしまったのです。まぁレース用の自転車とはあまり関係ありませんが。
さて、ここから青海省博物館の常設ブースです。映像で江河源文明、つまり源流域に栄えた文明の解説等をしていた。
青海省各地で発掘された主な遺跡の場所を表した地図。広いですなぁ。。 最初のブースは「化石」でした。
化石のブースなのに、なぜか石器時代?当時の青海省に住んでいた人達の暮らしを再現した模型があったww
直訳すると、「大きい唇のサイの頭蓋骨」の化石。中新世だから2500万年前〜533万年前で、上新世(日本語の更新世)は約530〜180万年前です。
右の化石も同年代に生きた鹿のもので、「祖鹿」の名の通り、原始的な鹿だそうです。
生物の進化を簡単にまとめた系譜図。視覚的に分かりやすいですね。
高原に住む羚羊(カモシカ)や鹿の骨の一部などが展示されてた。ちなみに藏羚羊はチベットカモシカで、北京オリンピックのマスコットの1つになってましたね。
こちらは更新世に生きていたマンモスの下顎の化石だそうですが、マンモスは意外と小さいのです。
更新世に生きていた毛のないサイ、英語名はCoelodonta Antiquitatisというサイの下顎の化石だそうです。
これは中石器時代に使われていた「研磨器」の展示。何を研磨していたのかまでは書かれてなかった。
①、②、③の石器は斧の一種で、④は「尖った状態の石器」という説明が書かれていた。共に2万3千年前の石器だそうです。
左は2万3千年前の旧石器時代の石器の核、右の石器は同時代の石器の欠片という説明書きがありました。
こちらは物の表面を削る、刮削器(かっさくき)と呼ばれる石器。右は斧の一種だそうです。
共に海西州小柴达遗址(海西州小柴達木湖遺跡)から発掘されたものだそうです。
左は貴南県という場所で発掘された「小さい石器の核」という説明書きがあった6500年前の石器。右は4600~5000年前の新石器時代の石斧。
上の石斧の一つをHX9Vでアップで写真撮影してみた。見たままの自然な色で撮れてると思う。
これらの石器は約5千年前の農具で、石のスコップやシャベル類だそうです。意外と細かいし種類も多いなと思った。
湯のみかなぁと思ったら、今から約5千年前の石で作られたブレスレットだったのですw
ここからは「土器」の展示です。説明書きのタイトルを直訳すると、「土を丸めて器にする、器を作る」というような意味で、
展示されていた土器類を見る限り、ほぼ丸い形のデザインで統一されていたと思います。
ちなみに右の写真の土器は「曲腹彩陶盆」と名づけられていた土器。漢字からなんとなく意味が分かると思うw
そういえば陶盆は園芸や食料の保存、家畜の水や餌入れなど、様々な用途に使われていますね。
彩文土器に見入る観光客らしき人。土器は意外とでかい。また、観覧している人はほとんどいなかった。
左は波纹彩陶钵、右は旋纹双鋬钮瓶と名づけられた彩文土器。漢字で書くとよく分からないかもしれないけど、
左は「波紋の彩文が描かれた鉢(物を入れたり洗面に使う入れ物)」、右は「円の文様と二つの取っ手がある瓶(ビン)」というような意味。
ちなみに「鋬」(pan、aは4声)は「器を持つために作られた部分」、つまり取っ手というような意味で青銅器や土器の展示でよく見る表現でした。
马家窑(馬家窑)タイプの土器という説明書きがある、円と網目文様が特徴の彩文土器。右は葫芦纹彩陶壶(ひょうたん文様の壷)と名づけられた彩文土器。
ぶっちゃけここの土器類は仰韶文化以降発展した馬家窑文化の土器と、その由来の土器類がほとんどでした。
漩涡纹彩陶瓮(渦巻き紋様の水、酒などを受ける土器というような意味)という半山タイプの土器。これも马家窑(馬家窑)文化の土器で、末期頃の土器です。
青海省博物館は観光客がほとんどいなかったので、ゆっくりと見て回れましたw 土器類の展示は豊富でした。
四耳彩陶罐と名づけられた、半山タイプを受け継いだ马厂(馬厂)タイプの彩文土器。これも马家窑(馬家窑)文化の土器だそうです。
右の写真は十字网纹内彩盘と名づけられた马厂(馬厂)タイプの彩文土器。見た感じ、手書きで練習で作ったような印象を受けたw
でもこの马厂(馬厂)タイプの土器は非対称な紋様などもあり、素人にはなんとも判別しがたいものがある。
左は菱形纹带盖彩陶壶(ひし形紋様で蓋のある壷の彩文土器)。煤けてないから食料などの保存に使ってたのでしょうか?右の彩文土器は涡纹彩陶豆(渦紋様の彩文の食器)と名づけられた彩文土器。共に马厂(馬厂)タイプだそうです。
马厂(馬厂)タイプの、十字纹双联罐(十字紋様の連結した筒状の入れ物)と名づけれている彩文土器。調味料などを入れていたのでしょうか?
彩文土器の展示ブースの様子。すごくシンプル。それにしてもHX9Vの画質にはいまいち納得出来ない。。
典型的な马家窑(馬家窑)タイプの加白弦纹彩陶罐(白を加えた弦紋様の筒状の彩文土器)と、その取っ手部分の拡大写真。
三联彩陶壶(三連結した彩文の壷)という、一風変わったデザインの壷の彩文土器。首の部分が持ちやすそうだという印象を受けた。
ここからは青銅器類の展示です。これは青銅製の鈴や矛などの武器、部品の展示でした。
時代も変わって卡约文化という、中国の西北部で発展した青銅器時代の展示になっていました。
青銅製の戈などの展示をアップで撮影。彩文土器を見た後なのでずっしりとした質感がよく感じとれたw
銅製の犬(⑤は犬という説明書きがあったので馬ではないのでしょうw)や鏃などの展示。
なんと、ここで館員が、「もうすぐ閉館だから早く出てください~」
と叫びながら観光客を追い出しにかかるw ここまでで全体の約3分の2を見終わった所でしょうか。残念だけどそそくさと出口を目指して進む。
右は歩きながら撮影した何かの模型。説明書きが見れなかったので何の模型か不明
これも説明書きを見たり撮影する間もなかったので詳細不明。ぱっと見た感じだと蒙古族に関する展示みたいでしたけど。
以上で青海省博物館を観覧した際の写真や動画、情報などは終了です。ちなみにこの時は入館料は無料でした。しばらくは無料で観覧出来る見たいですが、いつまでかは不明です。